bat keycapsを作った話
このエントリはキーボード #2 Advent Calendar 2020 - Adventarの14日目の記事です。
前日は、
mukiudoさんの
パーツ寄せ集めで始めた自作キーボード(初心者)
でした。
自キの初心者とは・・・?(笑)
去年のアドカレはこんな記事を書きました。
Claw44を作った話
bat keycaps
今回はbat43用に↓のようなキーキャップを作った話です。
bat43とは?
3行で説明すると、
- Claw44ベースの一体型
- キーキャップが縦17mm、横18mmと通常の19.05mmよりコンパクト
- Chocキーキャップ専用
詳しくはbat43とは?
bat43の課題
初めはわりと軽い気持ちで作り出したのですが、思ったより狭ピッチが良いです。
今となってはClaw44より使用率が高いくらいに気に入っています。
bat43→Claw44とすると指の移動距離が長い・・スイッチの押し込みが深い・・・と感じてしまう。
まあしばらく使うと慣れるのですが。
そんなbat43ですが、問題点が無いわけでもなく、特にChoc専用だけにキーキャップの種類が少ない。
当初は入手性の良いChocはKailhのキーキャップしかありませんでした。
慣れればさほど問題ではないのですが、真っ平ゆえに下段がスカってしまう事がありました。
しかし、全体的にグリップ感が欲しいという思いが強くなり。。
Kailhのキーキャップ
今はMBKという選択肢がある。遊舎工房さんありがたい!
無ければ作るしかない
Claw44は奇跡的にぜろけーさんの作った"3D"キーキャップと出会えたのでよかったのですが、流石にこれは自分で作らねばと設計開始。
(参考:僕の考えた最強のClaw44の組み合わせ)
まずは3Dプリンタで試作していく。
MXと違って、埋まってしまうとやっかい。。
こういうので取れます。
まずはシンプルにくり抜いたような形で。
家のプリンタだと限界があるので、ささっとdmm.makeさんに発注。
親指部分はこれで問題なさそう。左右に寄せてClaw44譲りの1.25Uを入れているのがポイント。
改善
試作から浮かび上がってきた課題を解決していきます。
中段はストレートにくり抜いたが納まりが悪い
これは単純に丸くしました。
吸い付くような感じになって満足。
キーキャップ次第で指の移動距離はもっと短くできそう
各ポジションで最適な傾斜、高さをつけることでもっと指に優しい打鍵ができるのは無いか。
高さと角度の違いの掛け合わせでパターン数多くて辛かったですが、現物で合わせて使ってみて最適な組み合わせを生み出しました。
最終的に全体的に傾斜があり高めになっているHighパターンと、なだらかなLowパターンを作りました。
より思想を反映しているのはこちらの↓Highパターン。
狭ピッチ対策
一番特徴的なのはこちらの対策かなと。
- 近くのキーキャップに干渉しない
- 天面は広く保つ
を両立したい。
Kailh ChocやMBKのキーキャップは高さが抑えられているため、外側の傾斜量も少なく、天面が広く保てています。
しかしbat keybapsはそこそこ高さがあるので、普通に傾斜をつけると天面がかなり狭くなってしまいます。
左からKailh Choc, MBK, bat keycaps, 一番右はMXですが比較用にTEX ADA ABS 0.8Uキーキャップ
ADA0.8はけっこう天面が狭いので、自分の指だと辛い。
これの解決方を表現するのに写真や絵を描くのは自分には難しそうだったので、Fusion360で頑張ってみました。
(他の用途でも使いたかったのもあり)
一言でいうと、「俺の人差し指」を作ってみました。
(スイッチ押すこともできるのですが、処理が重くなってキツイので接触判定を無効にしています)
「俺の人差し指」を使って説明をしていきます。
ホームポジション、中段
まずはホームポジションから。
普通に中段のキーに指を置いてみますが、上段にわずかに爪部分が当たる事があります。
ので、ここをエグリマス。
中段
このまま中段を押すと、下段のキーキャップに指の腹があたり、微妙に気になります。
ので、ここをエグリマス。
上段
次に上段を押していきます。
上段で大事なのは高さです。
押下時に中段に当たらないような高さをとっています。
押しぐらいによって、中段に干渉する事があるのでエグリマス。
下段
下段は当初の目論見通り、ちゃんと引っかかってスカらなくなりとても打ちやすくなりました。
サイドキー
両サイドのキーも同じような考え方で構成していきます(雑ですいません・・・時間が・・・)
センターキー
サイドキーが高めになったので、センタキーも高めに。ロゴ入りも作ってみました。
完成

満足いく水準になったので、dmm.makeで作成できるようになっています。
興味のある方はこちらをご覧になってください。
肝心のキーボードが在庫切れしていますが、そのうちブラッシュアップして出そうと思うので、気になる方はメール登録しておいてください〜
おまけ
3Dプリンタによるキーキャップの試作
↑の試作では0.4mmノズルを使っていましたが、その後にAdventurer3の0.3mmノズルが発売されたので使ってみました。
これだとステムもキレイに出て、ハマり具合が格段によくなりました。
表面もより滑らかになったので、ちょっとやすってあげればかなり快適に使えます。
ヤスリは少々辛いけど、使い物になるので0.4mmよりかは遥かにモチベーション保てます。
試作なので見た目はまあ、ね。気にしない。




他のキーボードにも付けられるようにしたい(予定)
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狭ピッチ仲間のHelixPico(下段のキー数が足りない)
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Choc対応しているCorne(親指をCorneように作りたい)
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オリジナルキーボードにも!(Sumisoさんありがとうございます!)
te96いじり
— Sumiso (@kutsuhimo3) December 5, 2020
とりあえずPCBの補強が終わった
底面にアクリル一枚で済ませるか悩みどころ
bat43専用キーキャップが良過ぎてアイデアがあっちゃこっちゃとっ散らかる
フライス盤か3Dプリンタほんとに買いそう pic.twitter.com/RYlDlvjm6o
fusion360のジョイントを使って指を作る
ジョイント全然使いこなせてないけど、うまい具合に設定すれば本物っぽく稼働できる気がします。
ちゃんとやると場合分けとか必要そうなので、どこまでできるかわからないですが、ちょっといじってみようと思います。
キーボード作り出してからの課題の手の握り具合を検証していきたい。
けど、締め切りがないので記事書けるかどうかわかりませぬ。